02

Jun

2022

<写真①>

Audi e-tron GT quattro の概要を前回お伝えしたが、今回は一般道・高速道路を走行した内容をレポートしよう。

① 座席に乗った感覚と操作方法

<写真②>

インテリア編でご紹介したとおり、水平基調のデザインでシンプルながら操作もしやすいレイアウトとなっている。
クーペスタイルだけに運転席からの目線は低めではあるが、乗り降りなどはセダンタイプのモデルとほぼ同様に行うことができる。

<写真③>

天井部に目線を移すと全面パノラマサンルーフとなっており開放感がある。晴れた日は車内が明るくなるので圧迫感もなく気持ちよく運転できそうだ。

ガソリンモデルと異なるのは、スタートストップボタンを押した際の感覚だろう。ガソリンモデルだとエンジン音や振動を感じるが、電気自動車のAudi e-tron GTでは液晶ディスプレイやイルミネーションが点灯するだけだ。

<写真④>

走行前には、ギヤセレクトレバーの操作を確認しておきたい。パーキングレンジのみボタンで、他のギアはレバーを前後にスライドする仕組みだ。

そしてAUTO HOLD機能だが、他のモデルのようにギヤセレクトレバー周辺にはボタンがないことに気づくだろう。機能は廃止されたわけではなく、作動方法が異なる。
Dレンジに入っていて停車した際に、ブレーキペダルを1回奥に「グッ」と踏み込む。すると液晶ディスプレイ式メーターパネルにAUTO HOLDのアイコンが点灯する。
踏み込みが浅いとAUTO HOLDにならず、ブレーキペダルを離すと進みだしてしまうので、何度か行って踏み込み具合を確認するのが良いだろう。

② 一般道走行編

<写真⑤>

走行し始めると、ガソリンモデルと変わらずクリープ機能もあり、違和感なく走行できる。アクセルペダルの踏み込み具合によって加速スピードはガソリンモデル以上に早く、レスポンスの良さは気持ちよいものだ。

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<写真⑦>

今回試乗したモデルはBang & Olufsenプレミアムサウンドシステムが装備。ラジオ音源であっても車内を包み込むサウンドには驚いた。しかもエンジン音が無い電気自動車だけに走行中でも音量を必要以上に上げることがなく、ドライブ中に音楽を楽しみたい方は電気自動車という選択肢もあるのかもしれない。

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アクセルペダルを離しコースティング(惰性走行)を行った際、ほとんど回生ブレーキが発動している感覚はなかった。減速時なども同様であり回生ブレーキ機能がなくなったのか。と勘違いしてしまいそうだが、これにはパドルシフトで回生ブレーキの効き目の強さを調整する。

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ステアリングに装備されているパドルシフトの「-」を操作すると回生ブレーキの強さを上げることができる。2段階あり1回手前に引くと「弱」で、もう1回引くと「強」を選ぶことができる。
一方パドルシフト「+」の操作では回生ブレーキの強さを弱めることができる。液晶ディスプレイのメーターパネルでも回生ブレーキの効きの強さを確認できるので、停車時にパドルシフトを操作して確認してほしい。

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実際、回生ブレーキをうまく活用するとブレーキペダルを踏む前に減速することができる。ガソリンモデルでいうと、減速に使用するエンジンブレーキと同じとイメージすると良いだろう。回生ブレーキ発動時に発生した電気はバッテリーへ戻されるので、積極的に使用することでバッテリー使用量を抑えることもできる。

③ 高速道走行編

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高速道路では、電気自動車の特徴をより分かりやすく体感できる。加速時のスピードの立ち上がりは驚くほど速い。実際に加速した際は数秒で制限速度まで達してしまった。サーキット場などで走行する機会があれば、かなりのスピードを出すことができるのだろう。

100km/hの高速走行時でもロードノイズ音はそこまで気にならず、Bang & Olufsenスピーカーシステムでオーディオを聴いているとガソリンモデル車より音量を上げずに音楽を楽しめた。国産モデルの電気自動車と比較してもノイズ音対策をしっかりされているのだと感じた。

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<写真⑬>

また、高速走行時に起きやすい風切り音はロードノイズ同様大きく聞こえることはなかった。まさにAudi e-tron GTがもるエアロダイナミックの構造により空気抵抗が低いことが体感することができた。

今回試乗したAudi e-tron GT quattroに装着しているタイヤは、グッドイヤー社の「EAGLE F1 ASYMMETRIC 5」で、電気自動車向けに開発された「Electric Drive Technology」の機能が搭載されている。タイヤのサイドウォールを見ると電気自動車向けのマーク(通常製品の場合はメーカーロゴ)が目印。このタイヤは車両重量があることや、スタート時のトルクフルの立ち上がり。ロードノイズを抑える電気自動車ならではの性能に対応した製品だ。
今回高速走行した際に受けた恩恵は、このタイヤが一役買っているかもしれない。試乗する前に、車両に装着されているタイヤにも注目してほしい。

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高速走行中にスピードを落とす際は、先にご紹介したパドルシフト操作での回生ブレーキ発動が非常に役に立つ。1段目の弱めの回生ブレーキであればゆるやかにスピードを落とすことができ、重宝したのはパーキングエリアへ寄る際に側道へ寄る前の減速時だ。強めの回生ブレーキを発動させ、ブレーキをかければあっという間に減速。エンジンブレーキよりスムーズだったのが気持ちよかった。

こうして、一般道と高速道路合わせて100kmほど走行したが、Audi e-tron GTがもつエレガントさに流線形のエアロダイナミック。前後搭載している電気モーターの立ち上がりの良さなどありとあらゆるテクノロジーが詰まった1台であることが体感できた。
試乗の際に一般道でもクルマの流れのある路線を走行すれば、ある程度は堪能できるかもしれない。試乗の際は、見た目も走りも十分に楽しんでほしい。

④ 充電方法

Audi e-tron でもご紹介したが、このAudi e-tron GT quattroでも充電方法をご紹介しよう。

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車両の両サイドに充電口があり、右側が普通充電用。左側が急速充電用となる。ご自宅などで充電する場合は普通充電が多く、出先では急速充電を行うことが多いだろう。

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充電方法はガソリンモデル車にガソリンを入れるときと変わらない。充電ソケットを差し込むだけ。車両ロックも可能なので充電中に車から離れてもOKだ。写真はAudiショールームで急速充電を行ったものである。

<写真⑲>

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Audi e-tron GTを購入した場合は、Audi e-tron Charging Serviceカードに登録して全国にある21,700基の充電ステーションを使用することが可能だ。MMIナビゲーション搭載の中にも充電設備を検索することができるので、出先で充電をしたい場合はすぐにスポットを見つけることができるだろう。ご自宅での充電の場合も、充電機器を設置すれば充電ができる。Audi e-tron Charginge Serviceや設置工事等の費用についてはショールームスタッフに確認してほしい。ちなみに試乗の際にはぜひ充電のやり方を体験するのもおすすめだ。

今回はAudi e-tron GT quattroをご紹介してきた。
単なる電気自動車ではなく、彫刻のような美しいエアロダイナミックとシンプルながらAudiらしいデザインを兼ね備えたAudi e-tron GT quattroをぜひAudiショールームで体感してほしい。

⑤ スペック

Audi e-tron GT quattro
ボディカラー:ミトスブラックメタリック
オプション装備品:

  • ・テクノロジーパッケージ
  • ・ブレーキタングステンカーバイドコーティング/カラードブレーキキャリパーレッド
  • ・アルミホイール10スポークトラピゾイドモジュールブラック

Text & Photos by HY/Audi Japan/Audi AG.
※各装備はオプション扱いの場合があります。車両スペックや詳細はAudi Japan Webページをご確認ください。※各数値はカタログ値です。条件や気候によって数値は変動します。※写真の一部は欧州仕様車となります