07

Dec

2023

Audi Q2 35 TFSI advanceを試乗した模様をレポートしよう。
今回も一般道と高速道を試乗した。

●運転席の感覚

SUVモデルではあるが、運転席に座ると車高が他のQシリーズと比較しても低めに設定されているためか乗りやすさがある。そして広くワイドな形状のフロントガラスによって見通しよい印象だ。
さらに座ったまま後席を見ても見通しがよく、後進する際なども運転しやすかった。実車に座った際はぜひ後ろも向いて見通しの良さを確認してほしい。

エアコン吹き出し口の形状も特徴的で、飛行機のエキゾーストベントをイメージしたものに変わっている。上下左右自由に確度を微調整でき、シルバーのリングを回すと風量も調整ができるるため使用勝手がとてもよい。

運転席に座ると左側にはMMIナビゲーションを操作するパネルが配置されている。
初めて触る際は見ながら操作すると思うが、慣れればディスプレイを見ながら手元を動かすだけで操作ができるのでこちらも使い勝手がよさそうだ。
実車でもぜひMMIナビゲーションの操作を試してほしい。

●走りを体感

まずは一般道を走行してみる。
スタート時の走り出しはとても軽くスムーズ。車輛重量が1,340kgとSUVシリーズにしては同じくコンパクトSUVモデルAudi Q3と比較しても200kgほど軽量のため、納得のいくレスポンスだ。

さらに7速Sトロニックトランスミッションのおかげで、走り出し後の変速もかなり早く、かつ変速ショックもほぼない。早いタイミングで変速されるため、タコメーターが2,000回転を超えることは、ほぼなかった。そのためかエンジン音もかなり静か。オーディオを聴きながら運転していたらエンジン音は聞こえないに等しいかもしれない。

コースティング(惰性)走行に入ると、気筒停止機能(シリンダーオンデマンド効率システム)が自動で発動。
タコメーターが1,000回転を下回るとともに、アクセルOFFで利くエンジンブレーキによる減速感がかなり少なくなる。すなわち減速するスピードが遅くなるため結果アクセルONにせず、燃費向上へとつながる仕組みなのだろう。

目視で確認するには12.3インチのバーチャルコックピットに表記されるギヤ数が消えるくらい。特別な操作も不要なため走っているだけで低燃費となるのは嬉しい。
なお、走行モードが切り替えられる「アウディドライブセレクト」は「efficency」にすると、より積極的に気筒停止機能が働いた。

つづいて高速道を走行してみる。

加速レーンでの加速感は、先にも述べた車輛重量が少ない分、1.5ℓエンジンであっても力強い感覚があった。特に2,000回転手前から発生するトルク感もあり、アクセルを踏み過ぎるとスピードが出過ぎてしまったほどだ。

中間加速もSトロニックトランスミッションの素早い変速によって気持ちよく加速ができた。シフトレバー操作でマニュアル操作も可能なため、ご自身のタイミングでシフトを上げたり下げたりしたい方は、シフトレバーをDレンジの位置から左に倒すとマニュアル操作が可能になる。

高速域で走行していると上記に記載したコースティング時の気筒停止機能がより積極的に働く。そしてバーチャルコックピット上ではあるが燃費数値も上がっていくので、上手に走ればカタログ値より上回る数値が出る可能もあるだろう。

なお、アウディアダプティブクルーズアシスト機能を使用すれば、一定速度での走行と前方車両との距離を一定に保ってくれる。さらにアクティブレーンアシストによって、走行車線からはみ出ることも防止してくれる。
万が一車線からはみ出そうになるとバーチャルコックピット上での警告やステアリングの振動によって運転手へ知らせてくれる機能もある。(コンビエンス&アシスタンスパッケージとしてセットプションとなります)

なお、SUVモデルだと車両サイズも大きくなり、高速域になると風切り音や横風による影響を受けやすくなりがちだが、Audi Q2においては静粛性や車両のブレはほぼ感じることはなかった。それどころか運転席から見える目線はハッチバッグモデルやセダンモデルと比較しても高いため、中長距離移動でもストレスなく運転することができた。

試乗の際は、発進時のレスポンスやカーブなどの走行時の車両の安定性。すこしスピードが出せる環境であればスピードに応じた素早いシフトアップなどぜひ確かめてほしい。

●セーフティ機能

Audi Q2にはアダプティブクルーズアシストや前方に危険が迫ったときの自動ブレーキ補助機能のアウディプレセンスフロントなど多くの安全機能が装備されている。
2車線以上の道路を走行中に便利なのが車線変更時に後方から車が迫っていないかモニタリングしてくれるサイドアシスト機能。

写真のようにエクステリアミラーに搭載されたLEDが後方車両を検知した場合は点灯し、そのまま車線変更しようとウィンカーを出すと点滅するなど運転手に知らせてくれる。特に夜間など目視では見えにくい際にはとても重宝する機能の一つだ。
試乗の際にぜひ安全装備についても見てほしい。(一部機能はセットオプション装備車となります)

Audi Q2を実際試乗してみたが、コンパクトモデルながらSUVモデルらしく高い目線の位置で運転が可能。1.5ℓのTFSIエンジンのレスポンスの良さにかなり運転しやすさが出ているという印象だった。2021年現在で4年連続Audi Qシリーズの中で一番の売上台数なのも納得がいった。
今回は2.0ℓクリーンディーゼル、35 TDIモデルは試乗できなかったが、低回転での強いトルクや2.0ℓの余裕あるエンジン推進力などで、より楽しい運転ができるのだろう。
可能であればぜひガソリンモデルとクリーンディーゼルモデルとで乗り比べをしてほしいものだ。

本格的なSUV機能が欲しい方はAudi Q5やQ7モデルにするとして、街中をストレスなく走行できてある程度の車載量や運転のしやすさを求める方は、このAudi Q2モデルがピッタリであると強くお勧めできるだろう。

●車両スペック

Audi Q2 35 TFSI advance
ボディカラー:グレイシアホワイトメタリック
・コンビエンス&アシスタンスパッケージ
・ナビゲーションパッケージ

装備はグレードによって異なります。また、モデルイヤーによって装備が異なる場合があります。各装備や安全機能の詳細はAudi JapanのWebページをご確認ください 。(https://www.audi.co.jp/)

Photos & Text by HY/Audi Japan/Audi AG.