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May

2021

Audi e-tron 55 quattro Sportback
2020年9月に発売開始された、Audiブランドとして日本初導入された電気自動車Audi e-tron 55 quattro Sportbackを紹介する。電気自動車という枠組みの中でもAudiらしいデザイン、充実した最新の機能などを含めて最先端のAudiを楽しむことができるモデルだ。

① エクステリア

まずはサイズからご紹介しよう。今回ご紹介するe-tron Sportbackは車両がSUVタイプでリアがCoupé調ルーフラインが特徴のモデルスタイルになっている。一方でe-tronの場合はSUVらしいルーフラインとなり積載容量も異なる。(e-tron Sportback:616ℓ、e-tron:660ℓ)Q3 Sportback、Q8などと同じくデザインがより美しいのはSportbackなのかもしれない。
全長は4,900mmで全幅1,935mm、全高1,630mmで、Audi Q8とほぼ同格のボディサイズ。車高もあり運転しやすいサイズだ。
フロントは他のQシリーズと同じく大きなシングルフレームグリルがあり、Audiらしさがありつつ、近未来的な雰囲気があるのが特徴的。いつぞやのロボットと人間との共存を図るハリウッド映画に出てくるAudiコンセプトカーを思い起こさせるデザインだ。
さらに目につくのはサイドミラー。Audiで初めて採用されたバーチャルエクステリアミラーでミラーのサイズがかなり小さくなったためか、こちらも近未来を感じることができるデザイン。
リアは左右が1本でつながったリアLEDリアライトデザインが印象的。すでにAudi A7、A8、Q8でも採用されているデザインだが、左右独立したテール配置とは違うフェイススタイル。夜間などは特に他車とは違う存在感を出すことができるだろう。
フロント、リア含めて多くのAudi車種に採用されているダイナミックターンインジケーター(ウィンカー)も搭載。これもAudiならではの特徴となりつつある。
この車両はAudi e-tron Sportback 55 1st editionとして通常モデルより装備が充実。エクステリアでは、高遮音性のある「アコースティック・ガラス」、「プライバシーガラス」、半ドア状態でも自動的に閉まる「パワークロージングドア」、「21インチのアルミホイール」、「カラードブレーキキャリパーオレンジ」などが付随している。ボディカラーはグレイシアホワイトメタリックなので、オレンジカラーのキャリパーは印象強く見えるかもしれない。

② インテリア

運転席に座るとAudiでもおなじみとなったメーター周りのバーチャルコックピットと、センターコンソールには2つのMMIタッチレスポンスのディスプレイが配置されている。
特に目を引くのはシフトノブ。A8と同じ形状に見えるが、写真手前に見える飛び出たノブを動かすことでシフトチェンジを行う。パーキングはサイドボタンを押す仕組みで、エクステリア同様、見た目も操作も近未来感を感じることができた。
エクステリアでも述べたが、e-tron Sportback 1st editionの装備としてBang&Olufsen 3Dサウンドシステムが搭載されている。試乗編でも述べるが電気自動車はエンジン音がしないため車内の音響が抜群に良い。移動中も好きな音楽を聴くには最高の空間だろう。
そしてバーチャルエクステリアミラーは、ピラーではなく、ドア開閉ノブのところにディスプレイが設置されている。始めはミラーを確認する際にどこを見れば良いか戸惑うかもしれないが、慣れとともに自然と目に入ってくるようになるだろう。
ミラーの角度はディスプレイをタッチすることですぐに変えられる。左側も角度は右側のディスプレイの設定からタッチすることが変えることができるようになっている。
ミラーではなく映像として映し出されるため、今まで見にくかった夜間や雨天などの環境下でもしっかり映し出される。実車を見た際はぜひ体感してほしい。
リアシートはSUVだけに足元も広いクリアランスが保たれている。Sportbackスタイルのため、通常モデルより天井が若干低くなるが、目線も高いため後部座席でも窮屈さは感じにくい。
ラゲッジスペースは、ゴルフバッグなどの大きなものも詰めるほか、リアシートを倒すことでかなりの収納スペースを確保できる。通常モデルとSportbackでは積載容量が異なるので、用途によってボディサイズを選ぶのがよさそうだ。(e-tron Sportback:616ℓ、e-tron:660ℓ)車高が高いので荷物の出し入れも屈まず楽に作業ができそうだ。

③ パワートレイン

ガソリン車の場合は排気量や気筒数でパワートレインのイメージがつくが、e-tronの場合は電気自動車なので、電気モーターの出力やトルク数で判断するのが良いだろう。
今回ご紹介するe-tron Sportback 55 quattro 1st editionは通常モードとブーストモードの2種類切替えができる。
通常モードだと最大出力265kWで最大トルクは561Nmだが、ブーストモードを使用すると、なんと最大出力300kW、最大トルクは664Nmまで上がるのだ。
イメージがつくやすくするために似たような数値を出すガソリン車を例に出してみよう。通常モードはAudi A6 55 TFSI quattro S lineの最大出力250kW、最大トルクは500Nmくらいのイメージ。(ただし6気筒だが)
ところがブーストモードに切り替えると、Audi S6の最大出力331kW、最大トルクは600Nmとおおよそ同じくらいとなる。Audi S6モデルのエンジンも6気筒数での数値なのだから驚きだ。(あくまでもイメージである)
こうしてみると、ボディサイズも重量も異なるe-tron Sportback 55 quattroのパワートレインがどれほどなのかわかるだろう。
なお、e-tronでも2021年1月に追加された50 quattro モデルの場合は最大出力230kW(312ps)、最大トルクは540Nmとなる。
さらに電気自動車特徴の1つであるトルクフル。電気モーターはアクセルONで最大トルク値となるため、べた踏みをした場合の加速感はガソリン車の比ではないだろう。公道で走り出すときは、ロケットスタートとならないように感覚を記憶する必要があるかもしれない。実際にブーストモードでの試乗は追ってレポートする。
車両には前後2つのモーターがありそれぞれ前輪後輪を駆動させる。しかもquattroシステムも導入されており、ガソリン車と異なり前後輪をつなぐ物理的なリンクがなくても電子制御にて常に最適なトラクションがされるようになっている。

④ 充電・走行距離

電気自動車を検討するにあたって、最初に思いつくのは充電と走行距離がどれくらいなのかということ。
まず充電について解説しよう。
e-tronおよびe-tron Sportbackの充電箇所は2か所。急速充電用と通常充電の2種類あり、左右のフロントタイヤ上に設置されている。タッチすることでカバーの開閉ができる仕組みだ。
急速充電は、CHAdeMO規格の急速充電器を採用しており、日本では約7,800カ所で急速充電ができる。e-tronの場合、急速充電では30分で走行距離117km相当の充電ができる。(出力50kWの場合)
またe-tronオーナーは「Audi e-tron Charging Service」にも登録することで、全国にある急速充電を始め充電スポットで充電ができる。料金や登録方法など詳しい内容はショールームスタッフに確認してほしい。
そして自宅などで行う通常充電だが、200Vで出力8kWの場合は1時間充電で約37km分の充電ができる。200V用の充電機器などを自宅に設置する場合は設置工事などが必要なるため、こちらもショールームスタッフに確認してほしい。
なお、自宅以外の場所で充電ソケットがある場所ところでは、車両搭載の充電ケーブルを使えば簡単に充電ができる。(充電ケーブルの出力は3kW)
次に航続距離について。
バッテリー容量は55 quattroは95kWhで、50 quattroは71kWhで、フル充電で400kmを超える航続可能距離を出している。実際にどれくらい走行できるのか?という疑問もわくだろうが、ガソリン車と同じく、走行スタイル(ストップ&ゴーが多い、少ない)や、電気機器の使用状況(エアコンなど)によって異なってしまう。
ただガソリン車と大きく違うのは回生ブレーキ機能で充電ができるという点。ブレーキを作動させると自ずと回生ブレーキによる充電が行われるため、走行によっては数値以上の航続距離が可能になる場合もある。この回生ブレーキの感触は試乗レポートでしよう。

⑤ 安全機能

Audiが誇る最新の安全装備が多く標準で搭載されており、万が一の場合でもサポートしてくれることが多いだろう。
各項目はカタログや店舗スタッフから確認いただくとして、e-tronで重宝しそうな機能が「フロントクロストラフィックアシスト」だ。
これは、交差点などで左右の見通しが悪いとき、歩行者や自転車に気づかず車を前進させて接触事故を起こす危険を回避する機能だ。ドライバーより早く感知できることができるのはうれしい機能だろう。もちろん、これらの場合は目視による安全確認をお忘れなく。
もう一つは「フロントクロストラフィックアシスト」。駐車の際に縁石に気づかずホイールを擦ってしまった。という苦い経験はあるだろうか。この機能はナビゲーション画面にタイヤ周辺を3Dビューにより確認ができる。初めて駐車する場所などでは特に役に立つ機能かもしれない。

⑥ ナビインフォメーション

e-tronには、他のAudiモデル同様にタッチパネル式のMMIナビゲーションが搭載されている。さらに充電スポットなども検索できる。
ディスプレイは2つあり、ダッシュボード上はナビゲーションや車両情報など。下段はエアコンなどの室内環境を調整できるようになっている。大きなディスプレイでタッチするだけなので、操作も簡単だ。
次回はこのAudi e-tron Sportback 1st editionを試乗したレポートをお送りする。電気自動車ならではのリニアな走行感などをお届けしよう。

車両スペック

車種名:
Audi e-tron Sportback 55 quattro 1st edition
車両本体価格:
¥13,460,000 消費税込み(バーチャルエクステリアミラー仕様車)
ボディカラー:
グレイシアホワイトメタリック
Audi e-tron Sportback 55 quattro 1st editionの特別装備の詳細はカタログをご確認ください。

撮影協力

ヴィラ・デ・マリアージュさいたま

埼玉県さいたま市浦和区上木崎2-24-4-24

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※写真はイメージが含まれます。また日本仕様車と異なる場合があります。一部写真はAudi Japan またはAudi AG. Webサイトより引用。※文中の数値はすべてカタログ掲載値に基づきます。※航続距離や充電時間などは、状況によって数値と異なる場合があります。詳しくはAudiショールームにてご確認ください。
Photo & Text: HY