モデルチェンジの中でも大きなポイントとして、マイルドハイブリッド機能が追加されたことだ。どれほどアシストしてくれるのか確認すべく、車を走り出したが、信号で止まってすぐ動き出した瞬間、マイルドハイブリッド機能のアシストをすぐに感じることができた。エンジンが2,000回転を超えたあたりからアシストが入り気持ちよく加速できる。これは今までのTFSI エンジン以上に、より加速感は強く感じることができるだろう。

速度55km/hを超えてアクセルOFFにすると、エンジンが停止したのがわかった。再度アクセルONにするとエンジン始動するが、メーターなど注視しない限り、全く気にならなかった。高速道路や郊外のある程度スピードが乗る環境下で走行する場合は、前期モデルよりさらに燃費が良くなるのを期待したい。

減速時は回生ブレーキで充電を行う仕組みだが、運転していても強いブレーキがかかるような感触はなかった。回生ブレーキ機能が強いと、減速力が強くゆっくりと減速することが難しくなる。このA5 Sportbackではそれを感じさせなかったのが良い。

気づかぬ間に充電され、必要時にアシストしてくるこのマイルドハイブリッド機能。TFSIエンジンの過給システムと合わさってさらに低速域を力強く加速できる機能だ。

前代同様にドライブセレクトが搭載されている。シーンに応じて、オート、コンフォート、ダイナミックと選べることができるので、同じ車なのに違った走行パフォーマンスを味わうことができる。市街地走行でなるべく低燃費に移動したい場合はコンフォートモードだし、山間部などパワーが欲しいシーンではダイナミックモードに切り替えるだけでも良いだろう。

今回のA5 Sportback 45 TFSI quattro S lineではquattro®システムがあるのと前後トルク配分を自動的に行い、前70：後30から最大前15：後85の間で変化するほか、高速域ではFWDまで切り替えてくれる。（モデルにより仕様が異なります） 試乗ではquattro®システムを体感するのは難しい。すべて自動で切り替わるためだが、加速時などのリアからの動力感は感じるかもしれない。

マイルドハイブリッドの恩恵は先にお伝えしているとおりで、路面から近い目線で運転することができるのが、SportbackとはいえCoupeスタイルを継承しているデザインを感じる。 直線では、路面に張り付く感触があった。S line標準のスポーツサスペンションのおかげもあるが、フワフワせずスーッと進む。370Nm発生する強力なトルクとマイルドハイブリッドのアシスト、そして7速Sトロニックトランスミッションで、テンポよくギアが変速してストレスフリー。あっという間に高速域へ達してしまう。試乗の際はスピードの出しすぎに注意してほしい。 Coupeスタイルはやはり美しい。車に乗り込む前から流線形のデザインをまずは味わい、運転席に座る。Audiのデザインを堪能しながら、試乗ドライブを楽しんでほしい。

今回はガソリンエンジンのみ試乗したが、グレードによっては、35 TDIと40 TDIエンジンが搭載されている。ガソリンエンジンに比べて10～30Nmと最大トルクが高いので、低速時から力強いパフォーマンスを味わえるだろう。

Audi A5 Sportbackに試乗したい方は、Audi 正規ディーラー店に来場することをお勧めする。